野球選手 怪我 脱臼

Uncategorized

はじめに

野球選手に起こりやすい怪我として「脱臼」があげられます。

去年、ワールドシリーズを制覇したロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手もセカンドベースへのスライディングの際、左肩を亜脱臼してしまいました。

この、脱臼とは関節から骨が外れてしまうことをいいます。
このときに関節を包んでいる関節包という組織も一緒に損傷してしまいます。
ひどいときには肩関節周辺の骨や靭帯、筋肉を同時に損傷することもあります。
日常生活を送るだけでも1ヶ月以上、スポーツに復帰するには2~3か月ほどかかります。

それに対して亜脱臼とは関節から骨が”半分”外れることをいいます。不全脱臼とも呼びます。

大谷選手が試合にすぐ復帰できたのは、亜脱臼出会ったため、関節包や周囲の骨・靭帯の損傷はなかった、あるいは軽傷だったと思われます。

実は私自身、高校生の時、右肩(投げる肩)の亜脱臼を経験しています。私も2塁へのベッドスライディングで右肩を亜脱臼しました。次の日から肩が上がらず、投げることは当然できず、バッティングができるまで1ヶ月〜2ヶ月、元通り投球ができるまで1年近くかかりました。

この経験をもとに、脱臼について書いていこうと思います。

原因

まず、脱臼はなぜ起こるのか。

上腕骨の骨頭が関節窩から部分的にずれる状態を指します。外傷性の脱臼の場合、ガクッという音とともに関節が変形します。また、関節周囲のじん帯なども損傷するため、激しい痛みと腫れが生じます。さらに、本来の関節の動きが制限されます。関節に骨折をともなうこともありますが、脱臼だけでも関節の変形が起こりますから外見上はわからない場合もあります。

一方、脱臼は骨頭が関節窩を取り囲む関節唇を破綻させて、完全に関節窩を乗り越えて外れる状態です。症状としては、かなりの激痛を伴いますね。

処置

脱臼をしてしまった場合、むやみに関節を動かすことは避けて、早急に整形外科に受信することが原則です。無理に引っ張ることにより、骨折や後遺症が残ることがあります。初期治療としては冷却が推奨され、水で薄めた氷を布で包んで5–10分間、1–2時間ごとに当てます。また、痛みを和らげるために肩を静止させ、速やかに整形外科に受診し、レントゲン、MRIで症状を確認し、医師の診断を仰ぐことが大切です。

リハビリ、予防

脱臼はくせになることがあります。くせになると、ひどい場合は、スポーツ中だけでなく日常生活のちょっとした動作、例えば寝返りやくしゃみでも外れてしまうことがあります。そうなってしまうと、手術以外には治す手立てがありません。

もし、脱臼してしまった場合は適切なリハビリを行い、再発防止に備えましょう。また、このリハビリは脱臼予防にも繋がります。脱臼をしたことがない人もこのトレーニングで脱臼予防を行いましょう。

※リハビリを始めるのは医師の診断によりますが、怪我をしたおよそ3週間前後です。炎症が治っていない時期に始めるのはやめましょう。

リハビリメニュー1「肩のインナーチューブトレーニング」

肩のインナーマッスルはつまり腱板を構成する筋肉になりますが、これらは肩を安定させる働きがあります。つまり、脱臼しにくいように肩を動かしてくれます。

肩のインナーマッスルは大きな力を発揮する筋肉ではないので、トレーニングも弱い力でじわじわと負荷をかけるトレーニングが中心です。よく行うのは弱い張力のトレーニング用チューブを引っ張るようなトレーニングです。

棘上筋(きょくじょうきん)

棘上筋は、体側から腕を横に上げる動作の時に使われるインナーマッスルです。

1.チューブを足で踏み、踏んだ足と逆の手でチューブを持ち真っ直ぐ立ちます。

2.肘と手首を曲げないように30度まで腕を上げていきます。

3.上げる動作も下げる動作も2〜3秒かけて行います。これを肩にじわじわくるまで繰り返します。

棘下筋(きょくかきん)

棘下筋は、腕を背中側に動かす動作の時に使われるインナーマッスルです。

1.チューブを鍛える逆の手で持つかまたは動かない棒にひっかけ、鍛える手でチューブの端を持ち、肘を90度に曲げ、チューブが伸びていると感じるところまで離れ真っ直ぐ立ちます。

2.脇を閉じて、前腕(腕から手の部分)を外側に開いて行きます。※開ける限界まで開きましょう

3.2〜3秒かけて開き、元の位置まで戻しましょう。これを肩にじわじわくるまで繰り返します。

リハビリメニュー2「肩のストレッチ」

脱臼した後、肩がはまった後も抜けそうな感覚があり、どうしても怖くて肩に力が入ります。そうすると、肩周りの筋肉が緊張して硬くなってしまいます。硬くなってしまうと治った後も肩の動きに制限がかかり、無理に動かそうとすると関節を痛めてしまいます。

したがって、肩周りの筋肉のストレッチを行うことが重要です。

ストレッチ1

1.痛めた肩を下にして横になります。

2.肘と肩が水平になる位置まで肘を前に出し、肘の角度が90度になるように手を上げます。

3.逆の手で痛めた方の手首を掴み下方向(お腹の方向)に動かします。

4.そのまま伸ばした状態で30秒間キープして、3セット行いましょう。

ストレッチ2

1.痛めた方の腕を体の下でクロスしてうつ伏せに寝てください

2.逆の手で痛めた方の腕を固定し、体を反対方向に捻ってください

※捻りは肩が伸びている感覚がある程度で大丈夫です。

3.捻った状態で30秒キープして、3セット行いましょう。

最後に

野球選手にとって、脱臼は野球人生に関わる致命傷になりかねません。

日頃から肩のインナーマッスルの強化を行い予防することが大切です。

しかし、白熱したプレーにより、脱臼してしまった場合は適切な処置とリハビリを行い、再発防止に備えましょう。

私自身、適切なリハビリを行い、この脱臼がくせになることはなく、今は普通にプレーができています!

もし、脱臼に関して、または他の点でも具体的な質問があれば、気軽にお問い合わせください。私にできる限りの知識をお伝えいたします。

でわ、みなさんも怪我に気をつけて今後も良い野球人生を送ってください!

終わり!

タイトルとURLをコピーしました